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追悼 東谷貞夫

 投稿者:越田秀男  投稿日:2013年 6月 3日(月)09時09分21秒 179.net059085002.t-com.ne.jp
返信・引用
  追悼 東谷貞夫
                                 越田 秀男
東谷貞夫(伯爵・神山宏)に初めて会ったのは双方が還暦を迎える少し前のことであり、東谷は翻訳会社の代表取締役、私は医薬系情報会社の編集記者、東谷の会社は私の担当する定期刊行物のクライアントであった。出会いからまもなく東谷は隔月刊ほどの冊子『風の森』を立ち上げ、私にも原稿を依頼してきた。私はその冊子を翻訳会社関係者のサークル誌と誤解して、しばらく仕事に関連する内容の話を随筆風に書き送っていた。つまり東谷が神山宏である(作家である)ことを私はかなりの期間知らなかったのである。それを教えてくれたのが皆川勤(久保隆)であった。
やがて皆川も同人に加わることになるが、なんと東谷は還暦を契機に自分でつくった会社をかなぐり捨てて『風の森』に専念することを宣言し早稲田の地に編集室まで設えた。東谷の文学観は次のような言葉で集約されるように思われる。
《表現とはみずから創り出す文体の妙である…略…その文体はいかにみずからの内面を言葉の力で表出するかに凝縮しており、読者に向っているのではない》(「図書新聞」10/10/02-6=以下同)
モーツアルトを呼び出して《モオツアルトの音楽を前にすると、感情や思想あるいは社会や政治などは無意味な虚妄になります》とも語った。文藝作品の価値は〈意味〉ではなく〈旋律〉にあり、解く前に聴け、ということであろう。
『風の森』は東京・新宿ゴールデン街の酒場の名を借用したものだ。《ゴールデン街はもともと秘密結社の巣窟のような雰囲気がありました。犯罪に暴力、売春に虚飾また反政府運動など、社会にとっては迷惑な事象の吹きだまり》とするものの、ゴールデン街を徘徊する東谷自身は無頼であったわけではなく、伯爵でありながら起業家かつダンディーであり、連むことの嫌いな孤独の影もあった。
東谷の虚構の世界は、このゴールデン街を“どこでもドア”のごとくの入口としてシュールな時空、メタフィジカルな時空へと誘った。私はこの東谷の怪奇な時空を幼少期に仲間と遊んだ秘密基地のごとくに楽しんだが、東谷はそこに死のイメージをも付加していた。
《シュールな空間では、魂の荒れ狂う刃傷沙汰においてよりも、時間の静止した透明な世界での死の影の美しさと哀しみを宿しているような気がします。》
東谷主宰の『風の森』は15号まで続いた。最終号は東日本大震災直後に発刊されたが、震災以前に描かれた表紙絵はまるでそれを予感するかのごとき修羅の風景であった。執筆を終えた東谷はこの時岩手の地で温泉に浸かっていたというおまけ付きで、命からがら日本海側になんとか逃れ辿り着くことができたのことであった。
その後『風の森』は同人体制に変更し昨年9月に復刊、東谷は結果的に最後の小説作品となった『憂愁の蜃気楼』を発表した。東谷の文体はいつもながらの、流れつつ転じつつの健筆であり、しかも大震災に遭遇した岩手も舞台に選ばれ、その体験がどのようにメタフィジカルに昇華されるか期待していたのであるが、続編はもはや望めない。
恥ずかしながら私事を申せば、昨年来、在宅ではあるものの療養生活の身となり、桜が散ったあとようやく仮釈放の身となり、東谷ら同人仲間と集う算段をしていた矢先の訃報であった。東谷が全国各地の同人誌作品評に取り組んでいることは知らされてはいたものの、「全国同人雑誌振興会掲示板」にこれほどの作品評を投稿していることをつい最近まで知らなかったのはなんとも迂闊としかいいようがない。
私の知る東谷の作品評は同人仲間に対してすら手厳しいものがあった。しかし大震災を境に取り組み始めた作品評は、温和で、己に引き込むのではなく、訪ねて聴き入るものに変わっていた。全国の優れた同人作品を紹介するという使命からは、当然といえば当然の姿勢であろうけれども、やはりそこになんらかの心境の変化を感じずにはいられない。しかしもはや聞き質すことはできない。合掌。
【追啓】『風の森』第2次創刊号、および15号の在庫があります。入手ご希望の方は送料含め無料で送付します。ただし、貴方様の参加されている同人誌と交換の形でお願いいたします。千葉県我孫子市中峠1649―9 越田秀男(koshida@i.117.cx)
 
 

高岡啓次郎様

 投稿者:「KORN」納富  投稿日:2013年 5月26日(日)19時18分6秒 61-22-84-99.rev.home.ne.jp
返信・引用
  あのように長い作品を読んでくださって、ご批評を賜り、嬉しく存じております。
確かに、同人誌には長すぎますね。書くのも、読むのも、大変です。

今回は、私自身の納得のために書いた気がいたします。
他人の正常さを、誰が、どこまで正常と決められるのか。他人のことを、異常であると、誰がいったい判断できるのか。
そういった疑問も含め、人間の生きることの困難さや、異常と嘲笑されながらも必死に生きている、その人の愛しさやいじらしさを、考え、考え、書いていった気がいたします。

未熟な作品ではありますが、書き終えたとき、小説を書いていてよかった、とはじめて思いました。
人を許すことは難しいですが、「許す」のではなく「受け入れる」ことができたら、きっと新たな心境がうまれ、また、新たな発見もあるのでは、と思いました。
「受け入れましょう」とは、誰でも簡単にいえる言葉ですが、実際には長い歳月、正面から相手と付き合わないとできないことです。歳月の積み重ねほど、実のあるものはないと思います。

いまは愛しい、「懐かしい人たちのこと」を、これからも、また書いていきたいと思っております。

有難いご助言どおりに、飽きさせない工夫を凝らすことができたら良いのですが。
ご丁寧な温かい評をいただきまして、感謝いたしております。
 

KORN2号

 投稿者:高岡啓次郎  投稿日:2013年 5月26日(日)18時02分34秒 p3098-ipbf1309sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
返信・引用 編集済
  九州からKORN2号をいただいた。久しぶりに感想を書かせていただきます。その前に、東谷さんのご逝去に心からお悔やみ申し上げます。地道な努力家であったと思います。穏やかな紳士であったと思います。真面目で温かな心情の方であったろうと思います。文章には人格が表れ、文体には性格や知性が表れます。東谷さんが書かれたものから私は上記のようなお人柄を感じております。私も初めて東谷さんに『船底』という作品を取り上げていただいたのが縁で関東や群系のサイトを知った者です。心から感謝しています。ありがとうございました。闘いは終わり喧騒は去りました。安らかにお眠り下さい。

 さてKORN2号は一段と創刊号より内容の濃さを増しているように思われます。納冨さんは200枚近い作品を発表なさいました。力作です。『蛇苺の紅―愛しい人たち―』と題する小説はいわくのある家に嫁いだ依子の視点で書かれています。とりわけ夫の養母と実母のことを情感をこめた静かな文体で繊維を織るように書かれています。文章に無駄がなく丁寧に推敲がなされているのを感じました。表題の蛇苺のメタファーは印象的でいいですね。最後に出てくる二匹の蛇の抜け殻の描写はまことにリアルで不気味で、物語の印象を強めています。同人誌に載せる作品としては大へん長いものなので、読者を最後まで飽きさせずに引っ張っていく工夫がさらになされるといいでしょう。サスペンスやミステリー小説から私たちが学べることは読者の足元に餌をまき、ぐいぐいとクライマックスやカタストロフィーに向かって誘導していく力です。私たちが通常の小説を書くとき、彼らの手法を多少参考にするのは良いことだと思います。巧みに布石をちりばめ、とりわけ、ある段落を終える部分の書き方に細心の注意を払われることをお勧めします。次の段落や章に進みたいという思いを起こさせるのは大きな段落の最後の部分ですから。
中山さんの北山散歩と学術エッセイについては後日とりあげたいと思います。
(053-0035 苫小牧市高丘6-238 定司宅 高岡啓次郎 090-9435-1638)
 

東谷さん

 投稿者:納富  投稿日:2013年 5月25日(土)15時05分27秒 61-22-84-99.rev.home.ne.jp
返信・引用
  「心配症」で投稿していた九州在住の者です。知った夜は明け方まで眠れませんでした。
東谷さんの評を読んで、購読を始めた北海道の同人誌もありました。日本中の同人誌をつないでくださる方でもありました。
もう、あの温もりのある評を読めなくなったのか、と思うと、とてもさびしく残念です。
あのようにこつこつと毎日のようにどこかの同人誌の評をしてくださる方など、いままでいませんでしたから、大切な方を失った思いでいっぱいです。
いま安らかな場所にいらっしゃることと、ただただ、手を合わせるばかりです。
 

東谷さん

 投稿者:山田まさ子  投稿日:2013年 5月24日(金)20時06分0秒 p2241-ipbfp3505osakakita.osaka.ocn.ne.jp
返信・引用
   ショックです。あの鋭い批評がもう聞けないかと思うと、さみしいです。
 なんだかまだ、信じられない。
 

東谷貞夫さんが急死・・哀悼を表します

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2013年 5月20日(月)00時48分36秒 i121-117-158-158.s04.a001.ap.plala.or.jp
返信・引用 編集済
  五十嵐さん、驚きました。病気だったのですか?
彼とは批評のありかたで論争ありましたが、いい仕事を熱心にやっておられた方。論争はありましたが尊敬しておりました・・

貴重なお仕事をされて、同人雑誌の皆さんから頼りにされておられた方。惜しい方です。
哀悼を表します・・・。

http://゛んコン社が ゛宇野良い 

 

東谷さん……

 投稿者:心配症  投稿日:2013年 5月18日(土)16時03分43秒 61-22-84-99.rev.home.ne.jp
返信・引用
  ショックです…。
なぜ? どうして?
今頃、どこにいらっしゃるのですか?
 

東谷さんのご訃報

 投稿者:お知らせ  投稿日:2013年 5月17日(金)12時30分35秒 p6fd91a0b.tokynt01.ap.so-net.ne.jp
返信・引用 編集済
  大変残念ながら、いつも批評を書いてくださっていた東谷貞夫さんが、亡くなっておられることが昨日確認されました。
東谷さんは数年前より、精力的に同人雑誌評を御担当くださり、「文芸思潮」「全国同人雑誌振興会」「関東同人雑誌交流会」に多大な貢献をしてくださいました。

謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

「文芸思潮」スタッフ

 

東谷さんが、亡くなられたそうです。

 投稿者:久保 隆  投稿日:2013年 5月17日(金)11時04分19秒 KHP222226062110.ppp-bb.dion.ne.jp
返信・引用
  『風の森』の同人の一人が、東谷さんの住まいの保証人になっていたこともあり、大家さんから、今日、連絡が入ったそうです。詳細は、まだ不明ですが、なにか分かりましたら、またお伝えします。  

東谷さん

 投稿者:心配症  投稿日:2013年 5月15日(水)04時24分5秒 61-22-84-99.rev.home.ne.jp
返信・引用
  最近、評がしばらくありませんが、体調を崩されているのではないかと心配している者です。
もし、そうであれば、体第一ですから、大事にしてください。
早くお元気になられ、この場に戻ってこられることを祈っています。
 

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